2010年06月04日

「海ゆかば」



青春のある一時期を共に過ごしたK氏を、
近頃テレビで観ることが増えてきた。
とても喜ばしいことだと、暫しかじり付く(テレビTV
出会いは、共通の友人が軽く催してくれた食事会。
食事の後、みんなで歌いに行ったカラオケボックスでの
ちょっとしたエピソードを画面を見る度に思い出す。

あの日、宴も酣になってきた頃、K氏が突然歌いだした曲、

「海ゆかば」

この曲に私は過剰に反応してしまった。

「こういう場所で楽しんで歌う曲じゃないんじゃないジャナイ?!(どっちだ^^)」
そんな一言を言ったか言わなかったか定かではないが、
次の瞬間、
彼の持っているマイクカラオケを奪い取り、自分で歌ってしまったがく〜(落胆した顔)
初対面の少しインテリジェントな好青年に、
なんて失礼な事をしてしまったものかと、今思っても赤面する。

(言い訳がましいが^^;)それには、私なりの理由があった。
もしかすると、戦前生まれの方々には全てあてはまるのかもしれないが、
私の父も、十代半ばで既に一命を捧げるつもりだったらしい。
それが使命だと信じて子供時代を過していた。
将来は海の特攻「回天」に志願するため、
日々、海底で砕け散る瞬間に向けて厳しい訓練を重ねていたという。

私が子供の頃、一緒にお風呂に入ると、
カッター船の訓練で何度もすりむけてしまうらしいお尻に、
無数の傷が残っていたのを思い出す。だからこそ…

「海ゆかば」

帝国海軍を象徴する尊いこの曲を、
カラオケでやんや♪と歌ってはいけないような気がしていた……
それだけだった。(勿論K氏はやんや♪ではなかったが^^;)
K氏は、マイクを奪った私を
『面白いやっちゃなぁ』と一笑に付しておられたが、
実は筋金入りの「愛国者」であられた。ヨウダがく〜(落胆した顔)
もしかするとあの時、
じゃじゃ馬を腹では「チッ」と笑っておいでだったかもしれない…トホホ。
Kさん、、深く知りもせず、す、すみません^^;
今なら大人しく聞き拍手させて頂きますっ。

そしてもしも、
「君は〇翼か!」とあの時のように聞かれれば^^;

「右でも、左でも、鷹でも、鳩でも…ないんです。
 難しい事はよくわかりませんが(− −;)
 ほんの少し昔、もう自分は存在していないはずの
 後世の日本の事ばかりを真剣に考えながら、
 来る日も来る日も血の滲むような訓練を重ねた人たちいて、
 やがては粉々になってしまった人たちがあんなにも沢山いた。
 うちはね、あの時代の人たちがみぃんな大好きなんよ」
(なぜか最後山口弁?)
 
あの時より少し成長した私は、
決してマイクを奪うことなく(笑)
遠慮がちにそう応えたいなぁ…わーい(嬉しい顔)などと思って画面を眺めている。


posted by 悠(ゆう) at 22:51| Comment(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「海ゆかば」
若ぶる訳ではないけれど、メロディが浮かんでこない〜
聞いたら分かると思うのだけど…



Posted by ホタピー at 2010年06月05日 00:26
ホタピーさん

無理もありません

きっとそれが普通です。
これ「軍歌」ですから(・・;

変わった奴でスミマセン^^;
Posted by 悠 at 2010年06月05日 07:25
「海ゆかば」
映画などでよく聞きますが、何とも切ないメロディー
歌詞が「大伴家持」作とは、このブログをきっかけに知りました
何とも不思議・・・・・

自分の意志で、ほとんど何でも出来る今の時代に暮らし
有意義な日常を過ごしているのか、自問してみました

Posted by スマイル at 2010年06月05日 23:43
スマイルさん

その探求心^^大好きです☆

軍歌の歌詞には、
「万葉集」から使われている言葉も多いようですね。
私も不勉強であまり知りませんが、
確かに切ないメロディーも多い♪
そう言えば「山の端に縦しや嘆かじ…」の夜叉…は、
雲井弄斎だそうですネ。
私は琴を弾くのに知らなかったぁ^^;勉強シナキャ(笑)
Posted by 悠 at 2010年06月06日 00:12
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。