あんなに好きだった車の運転をしなくなってから
丁度一年が過ぎた。
最も不便に思う事は、
大声で歌う場所がなくなった事。
「なんのために歌の練習を?」
と聞かれれば、何も答えられないのだが^^;
スピードメーター辺りに歌詞カードを置いて
大声で陶酔している時間は、私にとって何より快感だった。
しかしそんな時間が無くなった分+プラスもある。
よく歩くようになり、
苦手だった電車にも頻繁に乗るようになった。
車内で人間ウォッチングをしていると、
約半数、いや、もっとかな……。
携帯電話を同じような角度でみんな覗いている。
その姿を見ていて、
『ん?なんかに似てるじょ(・・)』
と思い考えていたら。。
ピピン!
「聖徳太子や!」
そう思った途端に可笑しくて可笑しくて、
もう〜まともに見ていられず参った^^;ククク
そしてもうひとつの大きなプラス+は、
読書の時間が増えたということ。
昨日も『吉祥寺』までの長旅(?)で、
往復の間に一冊読んでしまった。
タイトルは【阪急電車】
本を読んでいて、電車の中でニヤっと笑ってしまう事は
決して少なくないけれど、この本……
噴出して笑ってしまった^^;
「甲東園駅」に登場するえっちゃんという高校生。
彼女の話術と、その彼氏に思い切り笑わされた。アハハハ
それと、印象に残った箇所を三つ。
今日はそれを書いておきたいと思った。
小林という駅だったかな、、
『ひゅっと小さな燕尾服が構内へ舞い込み……』
とツバメを描く場面には、思わず感嘆の声をあげた。そして
『尽くしているのにと自分で言うのはいやらしいが、相手が全くそれを
考慮してくれないと、恨み言のひとつも言いたくなる』
には「そうだよなぁ〜」と溜息を漏らし、暫し遠くを見た^^;
更に、
『ルルル……と発車のベルが鳴り、駆け込み乗車を
一人二人受け入れる寛容さでドアが閉まる』
恐らくここには、
この電車に関わる人たち、又、電車が走る全ての町やそこに住む人々が語られ、
作品全体に流れている、
ほっこりとした暖かさがつまっているように感じた。
いいなぁ〜
車の運転も大好きだけれど、
電車に乗ってそんな物語をキョロキョロと探してみたくなる一冊だった。