2011年04月29日

昭和の日の祈り

歴史的な結婚式ぴかぴか(新しい)
伝統ある寺院。
夥しく並ぶ近衛兵の赤い制服。
宮殿までのまっすぐな道。
4頭だての馬車。
真っ白いドレス。
緊張した面持ちの王子の横で、
実に堂々と、そして朗らかに
手を振る妃殿下の笑顔がなんと美しい。

何もかもがまるで絵本の中のようで、
心の中に透き通った空気が吹き込んだ気がした。
おめでとうございます。
どうかいつまでもお幸せに。

11日の震災以来、
すっかり打ち拉がれてしまったように、
書くという事が一切何も出来なくなっていた。

「そのまま喋らないでいると、喉の奥の声帯が固まってしまって
 本当に声が出なくなってしまうわよ!」
集団に慣れず戸惑う小学校一年生の私に、
担任の先生が何度も繰り返し言った言葉である。
あの時の感覚に少し似ていて、
喋りたいのに書きたいのに、言葉にならなかった。

あまりにも突然、
無情に奪われていった多くの命、家族、人生、思い出。
「偶然なんてない、全てが必然であり、
その人にとって必要な事だったんだ」
と前向きに考えたい時、人はよく言う。
私もそんな考え方を真っ直ぐ受け入れ、信じていた方だと思う。
しかし今は、
こんなに悲惨な状況が、全ての人に必然だったわけがない。
ふざけるな!
運命や宿命って戯言か!
神様っていったいなんなんだ……。
などと繰り返すばかりだ。

そんな「昭和の日」のロイヤルウェディング。
ウェストミンスター寺院をふと思い出して、
15年前の写真をアルバムから剥がしてみた。

img002.jpg

だが驚いた事に、何も覚えていない(・・;
それなのに、ケンジントン公園で野生のリスと遊び、
手の平から野鳥に餌をあげていた太目(^^;)のおばちゃまの笑顔を、
はっきりと今でも思い出せる。

img003.jpg

私の思い出や幸福感とは、分相応にそんな物なのだと実感した。
だからもう、
高すぎる目標に向かって、遠い夢を追いかけるばかりではなく、
手を伸ばせばすぐに届くようなところにある
ささやかで確かな幸せをひとつずつ記憶し、
いつまでも覚えていよう。今はそんな風に思う。

最後に。
今尚、悲しみの癒えるはずのない被災地の方々に
少しでも穏やかな時間が訪れますように……。
心から「祈り」をこめて。


posted by 悠(ゆう) at 23:57| Comment(8) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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