青春のある一時期を共に過ごしたK氏を、
近頃テレビで観ることが増えてきた。
とても喜ばしいことだと、暫しかじり付く(テレビ

)
出会いは、共通の友人が軽く催してくれた食事会。
食事の後、みんなで歌いに行ったカラオケボックスでの
ちょっとしたエピソードを画面を見る度に思い出す。
あの日、宴も酣になってきた頃、K氏が突然歌いだした曲、
「海ゆかば」
この曲に私は過剰に反応してしまった。
「こういう場所で楽しんで歌う曲じゃないんじゃないジャナイ?!(どっちだ^^)」
そんな一言を言ったか言わなかったか定かではないが、
次の瞬間、
彼の持っているマイク

を奪い取り、自分で歌ってしまった

初対面の少しインテリジェントな好青年に、
なんて失礼な事をしてしまったものかと、今思っても赤面する。
(言い訳がましいが^^;)それには、私なりの理由があった。
もしかすると、戦前生まれの方々には全てあてはまるのかもしれないが、
私の父も、十代半ばで既に一命を捧げるつもりだったらしい。
それが使命だと信じて子供時代を過していた。
将来は海の特攻「回天」に志願するため、
日々、海底で砕け散る瞬間に向けて厳しい訓練を重ねていたという。
私が子供の頃、一緒にお風呂に入ると、
カッター船の訓練で何度もすりむけてしまうらしいお尻に、
無数の傷が残っていたのを思い出す。だからこそ…
「海ゆかば」
帝国海軍を象徴する尊いこの曲を、
カラオケでやんや♪と歌ってはいけないような気がしていた……
それだけだった。(勿論K氏はやんや♪ではなかったが^^;)
K氏は、マイクを奪った私を
『面白いやっちゃなぁ』と一笑に付しておられたが、
実は筋金入りの「愛国者」であられた。ヨウダ

もしかするとあの時、
じゃじゃ馬を腹では「チッ」と笑っておいでだったかもしれない…トホホ。
Kさん、、深く知りもせず、す、すみません^^;
今なら大人しく聞き拍手させて頂きますっ。
そしてもしも、
「君は〇翼か!」とあの時のように聞かれれば^^;
「右でも、左でも、鷹でも、鳩でも…ないんです。
難しい事はよくわかりませんが(− −;)
ほんの少し昔、もう自分は存在していないはずの
後世の日本の事ばかりを真剣に考えながら、
来る日も来る日も血の滲むような訓練を重ねた人たちいて、
やがては粉々になってしまった人たちがあんなにも沢山いた。
うちはね、あの時代の人たちがみぃんな大好きなんよ」
(なぜか最後山口弁?)
あの時より少し成長した私は、
決してマイクを奪うことなく(笑)
遠慮がちにそう応えたいなぁ…

などと思って画面を眺めている。
posted by 悠(ゆう) at 22:51|
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日記
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